リモートワークでも孤立させない、コミュニケーションの4つのポイント
アプトリーの佐々木です。
最近はリモートワークを一部実施する企業だけでなく、フルリモートの企業も多くなってきました。この記事を読んでいる皆さんはリモートワークに慣れてきたという方がほとんどでしょう。
しかし最近、私はこんな記事を見つけました。
最初は、通勤しなくていいし、基本のやり取りはSlackで完結するしミーティングもオンラインで済むしでめちゃくちゃ良いやん!て思ってた。
でも気づかない間に少しずつ精神が蝕まれていたみたいだ…
1年ほど前の記事なのですが、共感する方が多く、当時はかなり反響があった記事です。
この方ははじめはリモートワークは自由だし、チャット上で業務が完了するのですごく楽でいい!と思っていたのですが
- ちょっと雑談するような相手もいない。もしいたとしても、相手の状況が見えなさすぎるから今忙しかったら申し訳ないなと思っちゃって業務連絡以外送れない
- 相談できる相手が誰もいないと気づく。業務で辛いと思うことがあっても、誰にも言えない
- テキストだけのやり取りってなんだかんだ感情がわかりにくいし、送信者は全然そんなつもりなくてもキツく当たられていると感じることもある
上記の積み重ねで、最終的にはパソコンが怖くなり触れなくなってしまったというのです。
リモートワークはストレスがあまりかからないという話をよく聞きますが、連絡の取り方や企業の対応によっては上記のように鬱に近い症状が出てしまう可能性も非常に高いということが分かります。
このような事態を起こさないために、企業ではどういった取り組みを行う必要があるかについて、今回は記事を書いていきたいと思います。
目次はこちら
1. 雑談の仕組みを作る
雑談は自然な会話の流れから発生するものでわざわざ時間を設定することに違和感があるかもしれませんが、リモートワークとなっては予定として設定するか、雑談できる仕組みを作らないと発生しづらいものです。
そのために例えば、
- 雑談専用のチャットルームを作成する
- 定期的に雑談時間を設ける
- 雑談時間中はテーマを設定して話をしやすくする
といった工夫ができます。
普段の雑談内容を楽しく話せる場を作ると相互理解が進み、仕事においても相談しやすくなる効果が期待できます。雑談で息抜きができれば本人のモチベーション維持にも繋がりますのでぜひ取り組んでみてください。
2. チャットのグループ内でミスを何度も指摘しない
チャットのグループ内で指摘されるということは、そのグループに参加している人全員がミスに関するやりとりを見ているということです。他の従業員の前でミスを指摘するのと何も変わらない状況です。誰かに見られているという状況でのミスの指摘は、相手の自尊心を大きく傷つけます。さらにチャットの場合履歴が残ってしまいます。
指摘された人間は周りの目もあって恥をかき精神的にも傷つき、一時的には反省したように見えますが、実際は『失敗を怖がる』だけになり、ストレスは積み重なっていきます。
企業はまずミスをする際には対面で、上司と1対1で他の人が見えないようにコミュニケーションを行うように気をつけてください。もしどうしてもテキストで指摘せざるを得ないときには指摘内容などはオープンなチャンネルではなく、個人宛てに送るようにしましょう。
さらに詳しいテキストコミュニケーションの改善策はこちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
3. 定期的にオンラインビデオを使用してお互いの顔を合わせる
仕事の会議とは別で最低でも週に一回程度はオンラインビデオを使用し、相手の顔が見られるような機会を設けましょう。
リモートワークはチャットのテキストコミュニケーションが基本です。言われ方(書かれ方)のちょっとした違いで「もしかして怒らせてしまっただろうか?」「なにか悪いことを言ってしまったかな?」と不安になったことが皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
こうした誤解は定期的にオンラインビデオを使用して対面で話すことによって解いていきましょう。「あー、ごめんね。あのとき忙しかったんだ! 気を付けるね」といった一言を相手の顔を見て話すだけです。こうした小さな気遣いの継続が非対面でも良好な関係性を築くポイントです。
リモートワーク中のコミュニケーショントラブルは組織の生産性低下の要因です。企業は定期的に雑談など仕事以外で交流を図れる機会を設けるようにしてみましょう。
4. 業務時間外に仕事の話は極力しない、送らない
リモートワークはプライベートと仕事の切り替えが難しいと感じる人が少なくありません。生活と仕事の場が同じであること、導入されたチャットの通知が気になってしまうことなどの理由からです。確かにチャットツールはいつでもどこからでも、メールより気軽にやりとりをすることができます。しかしその手軽さゆえに勤務時間外、休日中にも会話が発生してしまい、そうした状況に83%の人が「ストレスを感じる」と回答したアンケート結果もあるほどです。
確かに業務時間外でも一度通知を認識してしまうと、本当は答えなくても問題ないにもかかわらず、プライベートの時間に仕事のことを考える心理的な疲労、すぐに返信しない罪悪感を覚えることもあるでしょう。中には仕事を頑張りたいがプライベートも大切にしたいというジレンマから落ち込んでしまう人もいます。
企業ができる対策としては業務時間外の連絡は原則しないルールを設け、組織内で徹底することです。上記のような状況が慢性化してしまうと、四六時中仕事のことが頭から離れずモヤモヤを抱えた状態が継続されるためモチベーションやパフォーマンス低下の原因になります。
まとめ
今回はリモートワークをしたことにより鬱になってしまう方に、企業ではどういった取り組みを行う必要があるかについて記事にしました。
今回の内容を見てみますと、すべてコミュニケーションの問題が絡んでいます。
出社でも、リモートワークでも大事なのは働く者同士の距離感だと思っております。
疎遠すぎても、近すぎても気持ちを病んでしまう方がいるということで、とても大変なことだとは思いますが、今回ご紹介したことを全員で意識し、コミュニケーションを図っていけばおのずと心を病んでしまう方は減りますので、周知していきましょう!