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【インタビュー②】エンジニアがプロジェクトマネージャー(PM)として成功する秘訣

【インタビュー②】エンジニアがプロジェクトマネージャー(PM)として成功する秘訣

エンジニアインタビュー第2回目は、異業種からエンジニアへの転身を図り、現在はフリーランスエンジニアで活躍中の男性にインタビューを行いました。
スキルアップを目指す方や未経験でエンジニアを志す方にとって参考になるTipsがつまっています。ぜひご一読いただけたら幸いです。
■今回インタビューしたエンジニア

Nさん
東京都在住 30代
趣味:カフェ巡り 読書

メディア系出身のNさんは演劇や芸能の世界からIT分野へ転身した異色の人材です。
<経歴>
高校卒業後、埼玉県から上京。芸能事務所のオーディションに合格し、10年間演劇の道に。30歳で方向を転換し、未経験からIT業界を目指す。テスターで約2年の経験を積み、その間プロジェクトマネージャーまで昇りつめた努力家。現在はフリーランスエンジニアとして活躍する一方、法人化に向けた準備を着々と進めている。

ヒーローや戦隊ものに憧れ芸能界へ

——本日はよろしくお願いいたします。芸能界からIT業界に入られた方はなかなか見かけないので、いろいろとお話を伺いたいと思っています。
まず、Nさんの生い立ちや芸能界に興味を持ったきっかけから教えていただけますか?

Nさん:東京都板橋区で生まれ、生後1年ほどで両親が離婚し、埼玉の母の実家に引っ越した後はずっと埼玉育ちです。
ひとりっ子なので家でいつも1人で過ごしていた思い出があります。
19歳まで埼玉で暮らし、その後上京しました。

1人で過ごす時間が長かったからか、みんなを守るヒーローに憧れがありました。どうしたら仮面ライダーやゴレンジャーのようなヒーローになれるんだろうと思い続けて、オーディション雑誌でたまたま見つけた事務所のオーディションを受けることにしました。

今まで目立たずに生きてきたから、表舞台に立つとどんな気持ちになるんだろうという気持ちで、一度は挑戦してみたかったんだと思います。

——オーディションは倍率が高いですよね

Nさん:事務所に入った時は2500分の1の確率だったと聞き、本当にうれしかったですね。
さらに番組のオーディションになると選ばれた2500分の1の人たちが一堂に集まる訳ですから、ドラマや映画に出演するのは大変でした。
テレビに出ると地元での僕のイメージも変わり、「あいつが芸能人?」と驚かれるようになりました。

——ご自身が合格した要因は分かりますか?

Nさん:はっきりしたことは分かりませんが、実は19歳の時に初めて年上の方とお付き合いして、その方から「絶対に芸能界に入った方がいい」と言われたことがあります。見る人によっては向いていると思う方もいらっしゃるのかもしれないですね。

——目に見えないオーラがあるのかもしれませんね。

Nさん:埼玉では見かけない顔の濃いレアキャラっていうだけで何もないですよ(笑)。

——人前で話すのは抵抗ありませんでしたか?

Nさん:大嫌いでしたし、実は今も苦手なんです。
人前に出て元気を与えられる素晴らしい仕事だと思い、10年頑張りました。
結局今は1人が落ち着くので、本質的にはやっぱり1人が好きなんだなと気づきました。

人目を気にして生きてきた10年、新しい生き方を目指しエンジニアへ

——芸能の仕事からIT業界に転向したきっかけは?

Nさん:仕事ではいつも人目を気にして生きてきました。
芸能の世界では目に見えない力も働きますし、30歳になってもこの給料ではまずいという気持ちの方が強かったですね。

これまで社会経験もなく、正直どんな仕事があるかもわからなかった。求人情報を見ている時に未経験可と書かれたIT業界の求人に目が留まりました。
知識がなかったのでIT分野についていろいろと調べたところ、今後成長が見込めて将来性のある業界だと分かったので「これだ!」と思い足を踏み入れようと思いました。

——最初はどんな仕事でしたか?

Nさん:契約社員扱いでテスターの仕事を2年ほどやらせてもらいました。
今まで厳しい芸能界で10年間やってきたから人一倍成長意欲があるタイプで、未経験なりともチーム内で一番使える人材でありたいと思って仕事をしてきました。
高単価の案件を任せられるようになり、最終的に品質考査になれたのは自信につながりました。

その後フリーランスになって今に至ります。芸能関係もある意味業務委託の仕事なので、仕事への取り組み方は似ている気がします。

無理と決めつけず何でも挑戦したい

——何かやってみよう、チャレンジしてみようと考えるモチベーションはどこから生まれますか?

Nさん:やる前から無理と決めつけない性格で、何でもやってみたいタイプです。極めるまでやりたいと思うんですが、新しいものに目が向くのも早いですね(笑)

——失敗は怖い?

Nさん:何とかなると思いますが楽観視はしません。全力を出し尽くしたうえで自分の成果によって何とかなる。何もしなくて何とかなるはずがないですからね。

——今までで一番苦労した経験は?

Nさん:人間関係ですね。理解してくれて話し合える友達がいたから辛い経験を乗り越えられました。人に支えられて生きているという思いが一番大きいです。
自分を認めてくれる人がいるから頑張れる、感謝の気持ちが一番大きなモチベーションになっていると思います。

——ありのままの自分を出すのは難しいと思いますか?

Nさん:そうですね、確かに仕事の中では難しく、気を遣いながら周りを見てしまいますね。
演劇の経験も影響して、この人は今どう考えているのかというところも見えてしまうので、言動にも気を遣ってしまいます。

——気を遣ってばかりだと疲れませんか?

Nさん:正直疲れます。だからこそ気を遣わず接することが出来るグループがあると安心できます。それだけでも感謝できますね。

プロジェクトマネージャー(PM)で成果を出す秘訣

——今までの仕事の中でありのままの自分を出せたことはありますか?

Nさん:去年初めてプロジェクトマネージャーに任命された時ですね。
自分の失敗がプロジェクトに直接影響するポジションなので、普段は絶対に怒らないんですが、何でこんなことするのって怒ったり、あせったり…素の自分を見せてなりふり構わず全力で向き合いました。

リリース日も迫り、最終局面は達成に向けて自分の気持ちだけで推し進めました。
プロジェクトが成功して無事リリースを迎えた時には泣きましたし、感動と疲れがドッと押し寄せました。

その経験があって、今月からまた新しいプロジェクトを任せてもらえました。認めてくださる方がいるとまた頑張っていこうと思えます。

——ありのままの自分で全力を注ぎプロジェクト成功に導いたんですね、素晴らしいです。
短期間で急成長を遂げたNさんですがスキルアップで心がけている点は?

Nさん:自分の仕事の上流工程に目を向け、視野を広げることですね。
例えばテスターも最初はシナリオに沿ってテストするだけです。テスト本来の目的を考え、次第にこんなシナリオがあった方がいいんじゃないかと疑問が生まれ、シナリオ作成にはさらに要件定義が必要だと理解する。
任された仕事以外に手伝えるポイントはないかと考え視野を広げると、自然と成長につながると思います。

この考え方は演技指導や演出で作品全体を俯瞰していたことも影響していています。個人的にもプログラム全体を見るのが好きだから出来ているのかな。

フリーランスエンジニアも業務委託として雇われているからには、社員さん以上に仕事に気を配り、社内の人が気づかない点に気づけるようなきめ細やかさも重要です。
分からないことも多いので円滑なコミュニケーションを取る能力も必要かなと思います。

仕事への取り組み方については、芸能の仕事もある意味業務委託だったので共通するところがありますね。

——テスターを目指している方へのアドバイスをお聞かせください

Nさん:独立してフリーランスを目指す方は成長意欲が高いと思うので、ニーズ以上のものを汲み取る力を身に着けると強いと思います。
また人と人のつながり、相手が言わんとしていることを感じ取って、それ以上の評価をいただけるように努力することが大事だですね。

スキルの面で言うと僕の場合はITの知識がなく、言語の知識をつけないとITではやっていけないと思い、テスト系、品質系の勉強と並行して語学も学びました。

とりあえず英語を学べばITだけでなくどの分野でも重宝されると思い、ハワイへ3か月留学しました。最初に受けたTOEICは270点でしたが、3か月猛勉強した結果800点を取ることが出来ました。これだけの点数が取れたらどの企業でも入れると自信がつきました。

将来の目標は法人化

—お話をお聞きすると、スキルも大事ですが、仕事に対する姿勢の方が大事だと感じますね。
では将来の目標や展望をお聞かせください。

Nさん:まずは法人化を考えています。
実は今コロナ禍の影響で各国のエンジニアが仕事を失って帰国の途についています。
家族と一緒に来日した優秀なエンジニアたちがコロナで危険にさらされている国に帰らなければならない。

僕は英語が少し話せるから外国人エンジニアとコミュニケーションを取り、悩みを抱えるエンジニアの相談にも乗っています。

難しいとは思いますが、大好きな彼らの働く場所を作り、支えていけるような法人を作りたいです。

——最後にフリーランスエンジニアを目指す方へアドバイスをお願いします。

Nさん:未経験でも楽しく時間に縛られることなく働けるのがフリーランスの良さです。フリーになるのは不安だと思いますが、良い方との出会いがあります。勇気を出して一歩踏み出してください。

――Nさん、今日は貴重なお話をありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします!
Nさん:こちらこそ、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

アプトリーから仕事を紹介してもらったメリット

メリット①
初めて完全なフルリモート案件に携わることになり、最初はコミュニケーションがうまくとれるのか等の不安もあった。
しかしコロナ禍で多くの企業でリモートワークがベーシック化した現在、
結果的にいち早くフルリモート作業を経験していた活かせている。
メリット②
何より、昼夜間問わず自分のペースで作業ができること。
(もちろん客先の都合により早急に対応が必要になる業務もあるが)
本業が別にある方、副業として働きたい方など、
自分に無理のない範囲で調整していただける。

取材:歌川貴之(株式会社UPTORY代表) 編集:中野馨子