【境目研究家・経営者】安田佳生「成功する事業の境目」:後編

      2017/09/23

株式会社 BFI代表取締役 安田さんのインタビュー後編です。

※前編はこちら
【境目研究家・経営者】安田佳生「必ず成果が出るマーケティングの神髄」

成功する事業の境目

—安田さんの著者で「10年に一度ぐらいで成功する機会が回ってくるから、成功するには長年続けるのが大事だ」と書かれているのを拝見し、とても印象に残ってます。長く続けるかの見極め方はありますか?

色々な社長さんと数千人会って、どういうビジネスをどうやって大きくしてきたか聞いているんですけど、この人なら絶対に成功するという天才的な人って5人もいないんですよほとんどの人はたまたま成功している

よっぽどの天才でなければ、ビジネスで成功するには運の要素は絶対必要なんですよ。その運を早めに掴んだ人は、最初にしたビジネスが上手く当たって大成功というケースがありますが、今の時代そんなに1つのビジネスが続かないので、何回か当てないといけない。

上手く行った人と行かなかった人の違いって、本当に能力ではなく「続けてきたかどうか」だけなんですよね。
例えば、運でいうと誰か有名な人が使ってくれて呟いてくれたとか、たまたま来たお客さんが大口のお客さんになっちゃったでも良いし。
何でも良いんですが、波が来ることがあるんです。それが来ないと、どんなに素晴らしい商品でもそう簡単には売れないと思います。

—運の要素ですね。

それは絶対必要で、運がどのくらいで来るかというと経験上10年くらいです。よくこんなビジネスで飯食ってるなという人がいるんですよ。
そういう人は10年位続けているので、10年間真面目にやれば必ず1回は運が来ると思っていて。

だけどそれは10年同じことをしてもダメなんですよ。同じ仕事だけど、やり方、見せ方とかを変えながら、本質は変えずにやるのが大切です。でも10年続けようと思ったら嫌いなことはできないので、好きなことをやり続けるのがおすすめです。
「どういうことをしたら儲かるか」という考えで新規事業を考える方が多いんですけど、そんな答えはないんですよ。
あったらみんなやるので。それでみんなやったら成功確率は下がるので、好きなことをやるのが一番大事なポイントかなと思います。

—安田さんもよく好きなことを先にやるとおっしゃっていますね。

好きでも嫌いでも成功確率は変わりませんから。少し前は、人が嫌がることを代わりにやることによって、お金になるという時代が続いてきました。でも、もうそんなことをしてもまず社員が来ないです。
お金払えば人が来る時代じゃないですし、なおかつ社員が来たとしても、社員が楽しそうに働いていない会社には、お客さんが離れて行きます。

とても安くて美味しいお店だけど、社員がブラックな使われ方をしているからここには行かない、という時代なんですよ。なので、得じゃなくて好きを軸にしないとビジネスは成り立たないですね。

—最近、面白いなと思うビジネスはありますか?

全ての業種がやり方を変えれば面白いと思いますが、「自分の持っている人形に旅をさせる」というのが流行っているんですって。
実際に旅行代理店の方に人形を預けて、観光地で写真を撮ったり世界1周を人形がしたりして。
そもそも人間が旅行に行くのも無意味といえばそうじゃないですか。生きていくために必要ないですし。そうすると、人形なんてさらに必要がなくバカバカしいじゃないですか。でも人間って、不必要なバカバカしい物の方がお金を払うんですよ。

仕事に必要なYシャツとかは仕方なく買うじゃないですか。でも出来るだけお金を使いたくないと思いませんか?

—よくわかります。

でも「そんなジャケットいつ着るの?」みたいな物には喜んでお金を払うんですよ。必要なものを作れば売れると思っている人が多いんですけど、いかに不必要な、いかに無駄な物を買ってもらうかを考えた方が絶対儲かりますね。

—確かに。今の話を聞くと面白そうですね。

それが実際にマーケットにあれば「そういうのあるよね」って言いますけど、こういうサービスがないときに「こんなビジネス考えました」ってお金持ちの社長に言ったら「お前はバカか」と言われて終わるんですよ。だいたい儲かっているビジネスはバカバカしいんですよね。なぜなら、人間はバカバカしいものにお金を払いたい生き物なので。それが本質なんです。

そもそも人間というのは不真面目な生き物なんですよ。真面目にビジネスをやるより、不真面目を真面目にした方が上手くいくということです。

社員は業務委託

—社員さんは一人しかいないということですが、社員というよりも業務委託をしていて、チームで会社を経営しているという感じですか?

そうですね。「雇う人と雇われる人の壁を無くす」というのをテーマで前の会社もやってきたのですが、あまり上手くいかなかったんですね。そこをもう一度やりたいと考えていました。全員社員じゃなく、お互いに得意を持ち寄って、上がった利益を分け合うという今までとは違う形でやっています。

—面白いですね。

けど社員をやりたいという人がいて、よく考えたら会社って鍵開けたりとか、電話取るために1人はいるよなということで、1人だけ社員がいます。私も固定給なし、完全成果型の業務委託 代表取締役です。チームは15,6人ぐらいいますね。

ー僕はこういう働き方は理想的なところがあって、参考にさせてもらいたいと思いました。

自分の能力を切り売りするというのは分かりにくいですが、就職すると全部会社に買ってもらうことになるじゃないですか。就職は時間で売っているので、自分は得意なことだけではなく、苦手なこともその時間内にやらなくちゃいけないです。

しかし、得意な事をやった方がはるかにパフォーマンス高いんですよね。例えば写真を撮るのは上手いけどプロほどじゃない。会社としたら写真を取るのが上手い人がいれば便利じゃないですか。でも1社だけだとその人をフルタイムで雇うほど仕事はない。だったら「10社に雇われればいい」という発想になれば良いんです。
そうすると、企業側から見ると10社で1人の特殊な能力をシェアする。コストは下がるし、働く側は収入が増えるし、好きなことだけがやれるんですね。

—そんな中で、「クラウドソーシング」という働き方が出ていて、フリーランスでやっている方はこの話に近い感じですか?

近いですね。今は企業がお金を払って人の能力を買うのは普通なんで、副業といっても、大体いくつかの企業の仕事をすることになるんですけど。
いずれ個人が個人に直接仕事を発注したりとか、直接仕事をもらったりという時代が来ると思います。企業に中間マージンを搾取されるより、払う側も働く側もその方が良いじゃないですか。

今まで一番苦労したのは資金繰り

—今まで苦労したこと、今思うと大変だったことはありますか?

今までの経営とこれからの経営って全然違うので、多分参考にならないと思いますけど、僕がやってきた中で何がしんどかったかというと、1つは資金繰りですね。資金繰りしなくていいなら10社ぐらいの社長をやりたいです。

資金繰りで何がしんどいかって、会社は人がいないとビジネスって成り立たないので、給料払うのがしんどいんですよ。会社って言い換えれば自分の時間を売るのがビジネスマンだとしたら、他人の時間をお金に変えるのが会社なんですね。

人間関係もありました。社員との付き合い方とか。自分の会社は大きな会社ではなかったので、社員と仲良くなるじゃないですか。自分のためだけに社員をコキ使うわけにもいかなくなって、変に仲良くなって好きになっちゃったりして。

でも給料増やせない人とかいて社員を辞める人もいたのは辛かったですね。しんどいのは、人間関係と資金繰りです。でもこれからの時代は必ずしもそうではないと思います。

—変わってきてるんですね。

だから、雇わない経営とか、雇われない働き方とかが主流になるんじゃないかと思いますね。

「こだわり相談ツアー」について

—安田さんが定期的にやられている「こだわり相談ツアー」についての説明をお願いします。

bfi

bfiのこだわり相談ツアー

これはですね、平たく言うと「ご飯おごってくれたら無料でビジネス相談とか経営相談とか、なんなら人生相談に乗りますよ」という企画です。前の会社が無くなってから、2度と社長をやらないと決めて3年間ずっと境目研究をやっていたんですけど、人と一緒にやると楽しいので、やっぱりまたビジネスがやりたくなりました。
そのときに3年も世の中から遠ざかっていたので、自分に会いたい人っているのかなという事を試してみようと思ったのが一つ。

もう一つは、お金がない状況が続いて、でも結構色々な人が色々な物をくれるんですよ。直接お金をもらうのは少ないですけど。ご飯おごってくれたりとか、お酒くれたりとか。それで生活出来ちゃうんですよね。

それで、報酬もらって何もしないわけにはいかないので、経営のお手伝いとか、社長の代わりに商品考えたりしてお返ししていたんですよ。お金がなかったので能力で返していました。

そうこうしているうちに、仕事の成果をお金だけでもらうのは古いんじゃないかと思って、自分の残りの人生は、「お金じゃない形での報酬のもらい方で3割は仕事をする」と決めたんですよ。だからその繋がりですね。「ご飯と交換に真剣に経営の相談に乗りますよ」ということですね。

—今忙しいですか?

そうですね。週1人しか出来ないので、長く続いて3年近くやっています。まぁ他のお客さんもいるし、晩御飯は1日1回しか食べられないですし。他のお食事の約束をしている方もいるので、それが限界なんですよ。
でも実際には、相談を持たずに来てくれる人もけっこういて、そっちの方が多いです。

—単純にご飯だけ食べたい人がいるんですね(笑)

そうですね。なぜか僕に話がしたいという人もいますけど、ただ単にご飯をおごりたくて来る人もいて、世の中って奇特な人も多いなって思いますね。Facebookで友達に申請してもらえば、申し込めるようになるので気軽に連絡してみてください。

ー安田さん、本日はありがとうございました!とても楽しかったです。

こちらこそ、良い取材でした。ありがとうございます。

是非、音声でもお聴きください!

株式会社 BFI
住所:東京都港区新橋3丁目16-12  横山ビル6B
設立:2014年11月
資本金:1,099万円
連絡先:03-6452-9498

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
The following two tabs change content below.

歌川貴之

インタビュー求人情報サイトを運営し、企業向けに販促用のコンテンツ制作をしている。個人事業主のお店から芸能人・上場企業の社長など、様々な職業1,000人以上に会ってきた。2018年に仕事と住居マッチングサイト『ジョブホーム』リリース

 - 職業インタビュー記事一覧