【境目研究家・経営者】安田佳生「成果が出るマーケティングの神髄」:前編

      2017/09/23

株式会社 BFI代表取締役 安田さんのインタビュー前編です。

安田 佳生(やすだ よしお)
1965年1月19日大阪府生まれ。
元・株式会社ワイキューブ代表取締役。現在はBFI(ブランドファーマーズ・インク)代表の他に、NPO法人中小企業共和国理事長や境目研究家など多方面で活躍中。
『千円札は拾うな。』など数多くの著書がある。

境目研究家とは

—安田さんはポッドキャスト番組「安田 佳生のゲリラマーケティング」を運営しています。僕もファンなので今日はお話を聞けるのがとても楽しみです。よろしくお願いします!

ありがとうございます。よろしくお願いします。

ー安田さんは以前「ワイキューブ」の代表でしたが、その頃の話は他のインタビューや著書にありますので、今回は安田さんの働き方を中心にお聞きしたいと思います。

最近はワイキューブの社長だったことを知らない人が増えてきていますね。昔は講演したら「会社を潰した話をしてくれ」とよく言われたんですけど、最近は減ってきました。もうその話はいいよって(笑)

—安田さんは境目研究家ということで、今気になる境目はありますか?

境目は日々研究しているんですが、最近研究して発表したのは「消費と浪費」の境目。どこからが消費で、どこまでが浪費かということです。生きていくために絶対に必要なものを消費だとしたら、実は人間ってほとんどお金がかからないんですよ。

働いている人に「なんで働いているんですか?」って聞いたら「生きていくため」とか「飯を食うため」と言います。でも実際使うお金ってつまらないものとかが多いんですね。例えば、外食・お酒・趣味・旅行とか。

でもそれが「生きていくために不必要か」というと「必要」じゃないですか。そうなるとそれは浪費ではなく消費な訳で。浪費というのは、使っても自分も含め誰もハッピーにならないものだと思うので、今まさに研究中です。でも、その境目は自分自身じゃないと決められないのかな、と思います。

—そういう境目を研究なさっていて、僕が頭の中に残っているのは「飛行機は飛んでいるのか?落ちているのか?」です。ここもご説明いただけますか?

そうですね。例えば、助走をつけて川を飛び越えるとしますよね。その時に「空中にいる自分は空が飛んでいると言えるのか」というと、「飛んでいると言えない」ですよね。「跳ねている」みたいなもので、ある意味緩やかに落ちている。

そういう意味では、飛行機も離陸して真っ直ぐ進んでいるので落ちてはないのですが、エンジンを切ったら落ちてしまうので、飛んでいるというよりは「離陸してから着陸するところまで跳ねている」に等しいのではないかと思います。

僕の中で飛んでいる定義が「空中で止まるか、そうでないのか」なのでヘリコプターは飛んでいる。川を飛び越える時に人間が空中で止まることができれば、それは「人間も空が飛べたと言える」んじゃないかなということですね。

消費と投資の考え方について

—安田さんのTwitterを見た時に、消費と投資についても呟いていましたが、投資となると変わるものですか?

そうですね。投資というは一般的に「増えていく見返りがあるもの」と捉える人が多いじゃないですか。僕の場合は、投資というのは「自分以外の人のために使うもの」が投資であると思っています。お金・時間・気持ちなどですね。
だから、自分がハッピーになるために旅行にいくとか、美味しいもの食べるというのは消費。そして、他人を喜ばせるために使うのが投資で、「返ってこないじゃないか」といわれるんですが、返ってくるかが重要ではなくて、結局誰かがハッピーになれば良いんじゃないかと思っています。「自分はこれ以上使ってもハッピーにならないけど、この人に使ってあげたらハッピーになる」という時間やお金の使い方。これが人生で一番大事なのかなと思いますね。

—ギブアンドテイクだと「ギブ」の方が先ということですね。

もちろんそうですね。それは長い目で見ると必ず返ってくるようにはなっているんです。返ってくるために投資するわけではなくて、人に喜んでもらうのが人生で一番の報酬じゃないかなと。例えば、もしそれで株を買って株が値上がりして、投資のリターンがあったとするじゃないですか。そのリターンを何に使うのかということなんですよ。結局、自分を喜ばせるために何かに使うじゃないですか。

家は何十件も買っても仕方がありません。無限に使えてどこまでも自分がハッピーなものというのは、人に喜んでもらって「嬉しい」と言ってもらうのが一番のお金の使い方じゃないのかと思いますね。けれど、使えば良いというものではなくて、自分も使いすぎると不幸になるじゃないですか。他人に「お金くれ」って言われて何も考えずにあげていたら、その人を幸せにはしないですよね。

安田流のマーケティング神髄

—著書で「お金の使い方というのは経験しないと分からない」と書いてありましたが、具体的に「こういうお金の使い方をすれば上手くなるよ!」というのはありますか?

お金は人間誰でも使えるんですよね。みんな「お金を持ってないと使えない」と思ってるじゃないですか。例えば、利益が1,000万円、売上が3億の会社があるとします。そしたら、1,000万円は使えると考えると思います。それは個人に例えるならば、貯金があって貯金の分使えるという感じなんです。

そうではなくて、売上が3億で利益が1000万円ってことは、自分が意識していないだけで、すでに2億9000万円使っているということなんですよ。人間どんなに貧乏な人でも1円もお金を使わずに死んでいくことはできません。時間もお金も意識していないだけで、皆さん同じように使っているんですね。時間に関していうと、有意義に使おう働いて時間をお金に変えようというのは、普通に思ってることなんです。

しかし、お金はそういう風に使っている発想がないので、お金を使ってお金を稼ぐのは経営者であるとか、リスキーだとみんな思い込んでいますね。時間とお金というのは人間に与えられたとても重要な武器なんですよ。飛車と角みたいな。

なので、時間をかけてお金を稼ぐ人は沢山いますが、お金を使ってお金を稼ぐ人は本当に少なくて。それは経営者にならなくても、中学生でもできることなので、それをもっとみんながやるべきだと思うし、小さい頃から練習した方が良いと思いますね。

—具体的にどういう事例がありますか?

よく行きがちなのは、本を買うとか、セミナーに行くとかは、自己投資としてやりますけど、それはあまりリターンが大きくないんですよ。もちろんそれが意味ないと言ってるわけじゃなくて、弁護士になってお金を稼ぐというのもありなんですが。

結局そうやって最終的に「自分の価値が上がって時給の高くなった自分の時間」を売るということなんですね。そうではなくて、商品を作ったり、お客さんを作っていったりということにお金をかけるというのはすごく大事で。

さっきの話と似ていますけど、他人にお金をどんどん使っていくと、なんで返ってくるのかというと「その人がお客さんになってくれるから」なんですよ。僕の場合、境目研究家で「どこで境目売っているんですか?」というと、境目なんて売っていなくてポットキャストやメルマガで無料でどんどん発信しているだけなんです。それを作っている時間、配信しているお金、ホームページ作ったりで、結構お金がかかるんですが、境目では1円ももらっていない。しかもそれを本業と言っているんです。

実はそれを聴いてたり見てたりして、好きになってくれて「是非相談したい」「仕事手伝って欲しい」という依頼が多く来るんですよ。結果それが仕事になって返ってくる。マーケティングに近い感覚かもしれないですけど。もう少し具体例で話すと、僕は境目研究家になって5年ぐらいですが、基本的にはお金に直結しない境目を研究しているんですね。正直者と嘘つきの境目、有名人と無名人の境目とか。

僕もよく「安田さんって有名じゃないですか」って言われるんですけど、全然有名じゃないですよ。だって道歩いていても誰も知らないじゃないですか(笑)だけど、無名かと言われると無名ではなくて。人間ってほとんどが有名人でも無名人でもなくて、中間人だと思っていて。まぁそういうことを研究しているんですけど。

5年もやると、基本的に毎日1つずつ発表するので、やること無くなってくるんですね。やることがなくなってからが勝負なんですよ。そうすると、人が考えないようなこととかを考えるようになるんですね。それで、1年〜2年ぐらい経つとそれが非常に珍しいものになって、興味深いものになるんですね。

例えば、中学・高校あたりからものすごくニッチなものを毎日1個研究して、誰かに発表するということをやっていったら、間違いなくその分野のスペシャリストになれるので、その分野に関しては先生と仰いでくれる人が千人とか1万人できれば、その人達相手に次は何を売れば良いかだけを考えれば良いんです。

一番大事なのはお客さんなので、それだけで十分就職なんかしなくてもご飯食べていけますよ。「君が出すならなんでも買うよ」ってファンならそうじゃないですか。人にどんどん時間とかお金を投資していると、自分のことを好きになってくれるのです。

BFI(ブランドファーマーズ・インク)について



—ご紹介をお願いします。

今までにある仕事ではないので難しいですね。「特別化屋さん」と名乗っています。「差別化」ではなくて「特別化」。具体的には「バリュースイッチング」ということを僕はやるんです。同じ業界、商品なでも捉え方を変えることによって全く新しいサービスや全く新しい顧客を掘り起こしたりすることが可能なのです。

この業界でずっとやっている人は、お葬式だったら面白くしちゃいけないとか、お客さんを笑わせてはいけないという先入観があるんじゃないのかと思うので、その業界の常識をちょっと捉え方を変えることによって、全く新しいサービスを生み出すということをしていますね。

新しいサービスになったら、それが広がって行くための仕掛けやサービスの名前が必要になってくるので、「バリュークリエイティブ」といってそれを分かりやすい形にネーミングとかを作って、市場を開拓するお手伝いをする。これがBFIの仕事です。

—中小企業のブランディングという形でご説明されているのを目にしますが、そのようなイメージでしょうか。

中小企業のブランディングではないですが、今無い市場なので「特別化屋さん」とか、「バリュースイッチング」といわれても分からないじゃないですか。だから、こうやって時間をもらって説明するのであれば事業内容は説明できます。でも頻繁には出来ないですよね。

出来ないけれど、何屋さんかということが世の中に分からないと、問い合わせしようがないし、興味を持ってもらえないので、「中小企業に特化したブランディング屋さん」とは言っていますが、自分の中では違うよなと思っています。なので、どこかのタイミングで「特別化」とか「バリュースイッチング」という言葉が浸透してきたら変えようと思っています。

—安田さんはどのような視点で特別化をしていますか?

それは「その視点で見ない」だけです。色々な会社の顧問をやっているんですけど、例えば葬儀屋さんにも、そこにしかない面白いユニークなものの考え方や見方がありますが、その見方は業界の中では当たり前で大してユニークじゃなかったりする。しかし、その社長が明日からケーキ屋の社長をやれと言われたら、色々と思いつくと思います。なぜならケーキ屋の社長は普通そういう考え方や脳みその使い方をしないので。

なので、ケーキ屋では普通だけど、自動車学校に持っていったら、ものすごく新しい商品開発のやり方とかがあるわけなんですよ。僕の場合、色々な会社を手伝うので、基本的にその業界の常識とかを頭の中から取っ払います。

その業界のことは知らない人間になりきれば、色々面白いことが出てきます。最終的には本業からあまりかけ離れたものになりませんが、アイデアを広げるときには制約を設けないで、とにかくタブーでも何でも良いので考えるのがおすすめです。こんなこと絶対に不可能だし、考えてもしょうがないというのは、大体の人は考えないので。

—確かにそうですね。

でもそれは考えなきゃならないんですよ。いったんそこまで広げてから、もう一回整理して縮めていく。その繰り返しなんですね。
ちなみに、僕はコンサルタントじゃありません。でもよく言われるんですよ。うちの奥さんも、人にコンサルタントって紹介したりするんですけど、俺はコンサルタントじゃないって言ってます。

僕の定義でコンサルタントというのは、アドバイスして本人に考えてもらうということだと思うんですけど、僕の場合は、社長の代わりに考えるというのが仕事なので「脳みそのレンタル業」だと思っています。自分の1時間や2時間をその会社のためだけにフル回転させるという仕事ですね。

—どのくらいの数を今見てらっしゃるんですか?

同時並行で15社ぐらいですね。この辺が限界です。1日1社でないと難しくて。アイデア出しながら一緒にミーティングするんですけど。大体2半〜3時間するんです。これを大体3週間おきに続けて、3〜5回で新しい価値の創造(バリュースイッチング)をしていくんです。

だから時間的には、午前中に1個やって、午後に1個やって、というのが不可能ではないんですけど、脳みそが切り替わらないんですよ。なので、まっさらな状態で出来なくなっちゃうんですね。情報とか先入観が入った状態になるので、極力1日1回しかやらないようにしています。

—お話を聞いていてすごく興味が湧きました。まっさらにする状況というのは、何も考えない感じなのですか?

ミーティングとは別で、こんなの良いんじゃないかとか考えたり、あるいは自分の境目研究をやるのは、朝一番でやるんです。それはなぜかというと、一番体力があって、頭の回転が早いというのもあるんですけど、まだ情報が入ってないからなんですよね。起きた時って記憶が整理されているので。起きてからニュースを見たり、人と話している間にノイズみたいのが入ってくるんですよ。なので、極力それを入れないでやるのが大事です。

自分以外の「バリュースイッチング」を託していきたいので、やりたいという人には教えたいんですけど、なかなか教えるのも難しくて。
でも、ちゃんとそこに自己投資すれば出来るようになりますよ。本を読んだりセミナー行くのも大事なんですが、やりたいなら「自分ならどうバリュースイッチするか」というのを考える以外なくて。車の運転も自分で運転しないと上手くならないじゃないですか。

例えば、喫茶店に行った時に「このお店のお客さんを来月から5倍にするにはどうすればいいだろう?」などを真剣に考えてみる。今までは喫茶店にない全く新しい売り方とか、メニューを作るとしたらなんだろう?というのを1日30分でも良いので最低3年続ける。
喫茶店に特化して、駅から遠いとか、古い汚いとか条件の悪い喫茶店をどうしたら良いかというのを毎日30分5年間考えれば、喫茶店スペシャリストとして生きていけますよ。

後半はこちら

【境目研究家・経営者】安田佳生「成功する事業の境目」

是非、音声でもお聴きください!

株式会社 BFI
住所:東京都港区新橋3丁目16-12 横山ビル6B
設立:2014年11月
資本金:1,099万円
連絡先:03-6452-9498

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歌川貴之

インタビュー求人情報サイトを運営し、企業向けに販促用のコンテンツ制作をしている。個人事業主のお店から芸能人・上場企業の社長など、様々な職業1,000人以上に会ってきた。2018年に仕事と住居マッチングサイト『ジョブホーム』リリース

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