【デザイン】中村俊介「福岡注目ベンチャー!楽しむしくみを生み出す仕事内容がまるわかり!」:前編

   

株式会社しくみデザイン 代表取締役 中村さんのインタビュー前編です。

■中村俊介氏 /芸術工学博士
1975年生まれ。名古屋大学建築学科を卒業後、現在の九州大学・芸術工学研究院へ進学。
在学中に開発した新世代楽器アプリ「KAGURA」が注目をあびたことをきっかけに、2005年にCTOとして有限会社しくみデザインを設立。
2010年から代表取締役。「KAGURA」は2015年1月には一般向けソフトとしてリリースしている。

まったく起業するつもりはなかった

—中村さん、本日はよろしくお願い致します!
よろしくお願いします。

—今日は福岡の本社でお話を伺ってますが、中村さんは、僕の地元の福島 会津若松のベンチャー企業ともお知り合いだだそうで。
そうですね!何名かは知り合いはいます。

—それを聞いただけで人脈の幅がすごいなと思いました。昔からの付き合いですか?
色々なイベントでお会いすることが多いんです。一回だけじゃなくて、何か所で会うと仲良くなるじゃないですか。そういうので、デザイ二ウムの前田さんは「また会ったね」っていう感じで、アメリカで一緒に会ったりもしました。

—アメリカで別々で行って、Facebookみたら、前田さんもいるから会おう見たいな(笑)?
そうですね(笑)。いるじゃん!ってなって、メッセージして、ご飯食べに行ったりしてます。

—今日福岡に来ている理由が、福岡が人口伸び率が日本No.1とベンチャー企業でスタートアップに最も熱い、という話をよく聞いていたので、そのあたりも含めて、お伺いしたいと思います。

そして、プロフィールを拝見したときに、芸術工学博士の経歴で、ベンチャーで起業するのはあまり聞かないですよね。

まあ芸術工学博士があんまりいないですからね(笑)

—どのような想いがあったんですか?
実は、起業しようとかあんまり思ったことはなくて、結構流れで会社を作ることになっちゃったんです。
僕がいたときは芸術工科大学っていう九州芸工大という別の単科大学だったんですよね。
そこに大学院から行って、今の神楽(カグラ)という楽器の元になるようなやつを作ったり。当時の技術で僕が1人で作ってるんで、ものとしては全然しょぼいですけど、概念としては同じ。

体を動かして音を鳴らすっていうアート作品として大学院の時に作って、それが結構特許とれちゃったりとか、それを元で福岡県の補助金が出ちゃったりとか。出ちゃったりっていうのは、「取りに行くぜ!」って言って取ったというは、「これおもしろいから出してみなよ」って言われて、出したら通っちゃったみたいなところもあって。

なんかの僕の硬い意思は特にないまま、周りを固められて会社作らざるを得ないような、そういう感じでずっと来てます(笑)。

自分のコンプレックスで神楽(かぐら)を作った


神楽
—神楽をやるきっかけをお聞きします。音楽業界にいたので楽器アプリに興味があるんですけど、音楽は好きだったんですか?
好きっていうところにまでいけない感じですね。楽器が弾けない、歌が歌えないというコンプレックスがずっと小さい頃からあって、そういう状態でしたね。

—それで何か別なものでこうやってみようという感じだったんですか?
それが、頑張って練習ができないんですよね。性格の問題ですけど、練習とかやっぱり好きじゃないので、「練習頑張るよりも僕でも弾ける簡単な楽器作ったほうがいいかなと思って作った。」というのが一番最初ですね(笑)。

—すごいシンプルな想いですね(笑)。
単純に自分の欲望というか、コンプレックスを解消するためだけにアートっぽい感じで最初やりました。当時はジャンル自体が全然なかったので、メディアアートっていうのも、15年前はほとんど誰も知らない状態でした。

なので、インスタレーションとか言われたかな。インタラクティブアートみたいな言葉がいくつかあったような時期だったので、そういう時期にとりあえずなんか動くものを作ろうと思って作ったところから始まっているんで。

でも、それが作ってみたら、僕が弾けるってことは誰でも弾けるってことなので、じゃあみんなが使えるようにした方がいいなあと思って、そこから広げたりしました。

—具体的に神楽のご紹介をお願いします。

今はパソコン(特にWindowsとMac )のソフトとして出しています。カメラを使っていて、カメラの前で動くとその動きを検出して音を作って、それが音楽にちゃんとになるようになっているので、体を気持ちよく動かして演奏するという新しい楽器にしようと思って、今やってるところですね。

神楽で検索すると色々出てくるので、神楽.cc でやると絶対この神楽のサービスが出て来ます。

すべては自分が楽しめるか?

—ここからお仕事内容をお伺いします。
まず一つが、「仕組みを生かした最適なソリューションの提供」。
アニメ・ワンピースのアトラクションなど幅広く、多数拝見しましたが、どのような想いで仕事をしていますか?


※東京ワンピースタワーアトラクション

特にクライアントワークがメインで動いているので、お客さんに当たるのは企業なんですよね。その企業の方が、これを伝えたいって事もちろん大事ですが、それ以前に最終的なユーザーがどうも楽しむかっていうところをちゃんと考えないと、一方的に押し付けるみたいになるのはすごく嫌でした。

なので、僕らがいつも考えているのは、とにかくいかに最終的なお客さんにあたるユーザーが、楽しく気持ち良いっていう状態が作れるかを考えます。

そのための仕組みを、もちろん技術的にはいろいろデジタルを駆逐するんですけど、デジタルのすごさができるだけわからないようにして、楽しさだけが表に出るように、感じられるように、っていうのを考えて作っています。

—では、企業から依頼内容をそのまま鵜呑みではなくて、お客さんが望むように考えると、企業との摩擦などはありますか?

摩擦はほとんどないですけどね。それは、クアライアさんにしても、最終的に楽しませたいのは一緒のはずで、うちがすごく恵まれているのは、「これを作れ」っていうのが来るわけじゃないんです。

弊社は十年以上やっているんで色々分かってますけど、やっぱり何が当たるか分からないじゃないですか。
なので、どっちかというと、こういうことがしたいとか、テーマはこれとか、この商品が伝えたいとか、こういう場所でやりたいというのが決まってますが、何をしたいまではあまりかっちり決まってないことが多いです。そうすると、その場合はこういう風ものをしたらいいですよっていう提案が出来ます。

なので、わりとゼロからではないけど、一緒にその場で作っていくっていうところから始まることが多いので、摩擦ということはあまりないですね。

—なるほど。それは作っているときに、ピン!とひらめくのか。それとも、社内の中でブラッシュアップして、積み重ねて行くのかとか、その方法を教えてください。
もちろん僕一人でやってるわけじゃないんで、色々なメンバーが打ち合わせをするんですけど。大体その場で決まるのが多いですね。

あとは、それは全部完成させないですけど、方針だったり、こういう感じのことをしたいっていうところを持って帰って、後はそれを詰めたりより良くするにはどうしたらいいかとか。

その場でいいと思ったけど、あれが持って帰ったらいまいちだったことはたまにあるんで、そのときはこっちの方が良いですよという話をしたりしますけど、社内でミーティングして、というのはほとんどないですね。

—中村さんの中でも引き出しの量がすごいたくさんあるという感じですか?
多分そうですね。僕とか、最近は別のメンバーの方がよく外に出てくるんすけど。やっぱり蓄積と経験値ですね。同じことはできるだけやりたくないので、できるだけ違うことするんですけど。セオリーみたいのがやっぱりあります。

絶対外さない、喜んでもらえる方法だったりとか、これやったら絶対受けないよなとかっていうのとかですね。そういうのはやっぱり経験値も溜まっているし、いろんなもので見たりしているので、これうちがやったらもっと面白いのになって思うのは結構いっぱいとか。そこのポイントをちゃんと押さえて工夫したり。

—リスナーでも中村さんみたいな仕事に憧れる人が多いと思うんですけど、引き出しを増やすには、どこを意識して仕事をしていますか?
もちろん作んなきゃ始まらないじゃないですか。なので、当然たくさん作るんですけど、作ったものを体験している様子をできるだけ見る。それは良い面白いですかって聞いても、面白いですと答えるから、それは意味がないんですよ。なので、こっそりみる。

—そこをもうちょっとうまく言語化していただけると(笑)。
そうですね。
一番何を持って作っているかというと、楽しんでもらいたくて作っているわけですよ。だから、どうやったら楽しんでもらえるかなと思って作って、本当に楽しんでもらっているかっていうのは見なきゃわからないじゃないですか。

なので、見に行って反応見てます。誰も僕らが歩いていても、この人が作った人だとかわからないじゃないですか。だから、普通に行って見て遊んでて、一緒に遊んでいると、ここがわかんないんだなと思って、こうするんだよって言うと、そうなんだったんだってできるようになったりとか、ここの説明をしなきゃいけないっていうのは、作り方にちょっと問題もあるのかなと思ったりします。

でも、説明を受けたらすごい楽しむってことは、そこさえちゃんとやればいいかなと、そういう細かいところ思いながら、とりあえず自分が楽しみに行くというのが一番で。自分が遊んでくと、一緒に来てくれてやったりするので、そのみんなの反応を見て 、楽しんでくれて嬉しいなと思う、そういうのを繰り返してくると割となんここはダメなんだなというのが見えてくる気がしますね。作って終わりではなく、現場に足を運んでということですね。

—続いてアプリですが、まずは「Springin’」についてお聞きします。このアプリは、アクションゲーム、パズル、絵本など自分で考えたアプリを簡単に作れるということで。このアプリって子供向けという感じですか?

Springin’

全体的に子供向けという感じで打ち出しているんですけども、元々は、別に子供のために作ったわけではもちろんなくて。先程のソリューションとも関係あるんですけど、僕らが作るときには、子供でも絶対楽しめるようにしたいと思って作るんですよ。

大人の中には、子供的な部分って絶対あるじゃないですか。でも、子供の中に大人的な部分ですごい少ないわけですよ。だから、大人でも楽しめる子供の物がいっぱいあるけど、子供でも楽しめる大人向けのものってあんまりなくて。それは理解に必要な知識も経験もあるというのがあるんですけど、大人を楽しませるためには複雑化してくるんですよね。

それは以降方法としてもあるんですけど、特に僕らがやっているものっていうのは、瞬間的に楽しんでもらわないと続かないことが多いので、いかにすぐに「面白い」って思えるかっていうところを大事にしようとすると、やっぱり子供が理解できるものを子供向け作るんじゃなくて、子供でもちゃんと理解できるようなものを作らなきゃいけないというのはずっと思っていて。

そのうちの一つとして、この「Springin’」も、今は特にターゲットを子供にした方がプログラミングの教育とか出てきているんで 、すごく刺さりやすいからそこにフォーカスを当ててるんですけど、実際は僕が作りたいというか、欲しいから作った面も一部あります。

なので、何かを作るということはすごく面白いわけですよ。一応会社はそれを十年以上やってきているんですけど、ずっとそれをやっていると、作る方が面白いのに、みんなそれをできなくてもったいないなと思っているんです。

みんなが作るような人になれば、世の中に面白ものいっぱいできて世の中が面白くなるはずだから、どうやったらみんなが作る側になるかなぁっていう風に考えるようになりました。

それはもちろん子供からやれば大人になった時に色々作れちゃうからより良いですけど、大人でも作れたらいいじゃないですか。そういうので、子供でも出来るぐらい単純なんだけど、なぞるだけじゃなくて、一回わかってきたらいつまでも多く深掘りできるように。それは仕組みですね。

ちゃんと仕組みを持たせられるかといところで作ったのが、「神楽」も「Springin’」もそうなんですけど。「Springin’」はそれを特にデジタルコンテンツを作るためのツールに特化して作っている、ということですね。

—続いて、「paintone」についてのご説明をお願いします。

paintone
「paintone」どちらかというと、「Springin’」の入門編みたいなものなので、より簡単になってます。絵を書いて音をつけて、さわったら音が鳴るというものが作れる。Springin’」はさらにそこに動きをつけたりとか、関係性を付けたりして、より高度なものまで作れるっていうそういう位置づけですね。

—ここからは中村さんにフォーカスしていきたいと思います。まず仕事のやりがいをお聞きしたいです。
やりがいとかをあんまり考えたことが無いですね。やってて楽しいことであったりとか、やりたいであろうこととかですね。そういうものを続けてたら、たまたまそれが仕事になってたっていうだけなので。

こういうことをしようと思ってやったというよりは、神楽だと、こんな楽器があったらいいのになんでいうのを、個人レベルで終わらせなかっただけですよね。それで、今はもうほんとに世界中の人たちにそれが届けられたらいいなってだんだんビジョンだけ大きくなっている状態ですけど。

そういう風にこう会社はものすごくパーソナルな思いだったものを一般化したりとか、ターゲットを広げたりとか、ビジョンを大きくしたりするっていうこと自体を続けるだけで、ちゃんと形になるというのは一つやりがいとしてありますね。

流行ってるからこれやろうとだあんまり思わないので、儲かるんだと考えたらもっといっぱい方法はあっただろうなと思うんですけど。これで儲けたいのかというと、儲けたいですけど、儲けることを第一にはあまり思っていないので、そこがやっぱ一つあるんじゃないかなと思います。

—逆に苦労したこともそんないないんですか?

そうですね。苦労したことは全くないです。

後編はこちら

中村俊介「地方ビジネスの成功秘訣とは?福岡の観光グルメも公開!」:後編

是非、音声でもお聴きください!

株式会社しくみデザイン
資本金 10,000,000 円
設立日 2005年2月4日
代表取締役 中村俊介(芸術工学博士)
所在地 〒812-0011
福岡市博多区博多駅前4-8-15博多鳳城ビル401
Tel / Fax 092-474-0153
E-mail info@shikumi.co.jp

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歌川貴之

プロインタビュアー/仕事と空き家マッチングが最も得意。インタビュー求人情報サイトを運営し、企業向けに販促用のコンテンツ制作をしている。個人事業主のお店から芸能人・上場企業の社長など、様々な職業1,000人以上に会ってきた。

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